我が家のオーディオ環境について

 私は音楽を聴くことが日常生活の中で最も豊かな体験であり楽しみのひとつだと思っています。そのように思うのは私だけではないでしょう。当たり前ですがライブでない限り、音楽を聴くためには何らかの再生装置が必要です。昨今の音楽と取り巻く環境は多種多様を極めています。音声データの圧縮方法から購入方法、そして再生方法について選択肢はたくさん用意されています。音楽の愛好家であればあるほど再生装置の環境は、「音楽との向き合い方」「生活様式」の表れでもあると思います。雑文を書いてきた私の再生装置について、ここで触れてもいいのではないかと思いましたので、ご興味ある方がおられましたらお読みいただければと思います。

 まず、前提として申し上げたいのは私は所得があまり多い方ではなく、オーディオに避ける予算は少額にならざるを得ません。そして、居住がアパートという環境ですのでスピーカーからは大きな音が出せないという事情があります。そうなりますと、イヤフォンからの鑑賞が効率がいいように思われるかもしれませんが、どうしてもスピーカーからでないと音楽を聴いている満足感が得られない私ですので、安価で小規模なオーディオ装置ではありますが、リビングで近所迷惑にならない程度の音量で、CDをかけています。

 では、再生装置の詳細を記載することにしましょう。

○スピーカー

 Pioneer S-PM300

○CDレシーバー

    Denon RCD-M40

○スピーカーケーブル

   SAEC SPC-350

○ジャンパーケーブル

   BELDEN STUDIO716EX

○インシュレーター

   TAOC TITE-46GP

○オーディオボード

   SUNSHINE B30BLACK(レシーバー)

  AIRBOW JDB(スピーカー)

○電源タップ

   OYAIDE OCB-1ST

○チューニング・アクセサリー

   OYAIDE 御影石ベースOCB-BS

   OYAIDE STB-CM4

   MONITOR MB-1471

   fo.Q TA-102

   SOUNDMAGIC STB-1

  さて、いかがでしょうか。リビングのスペースも限られていたので、スピーカーは中型、プレーヤーはセパレートではなく一体型のレシーバーを選びました。このシステムでかれこれ6年間ほど聴いています。

 スピーカーをS-PM300にしたのは、エンクロージャーがウイスキー樽のオーク材を使っているという点で大変に美しかったことと、中学生のころに実家で聴いていたパイオニアのスピーカーに好印象を受けていたからです。実際買ってみて悩ましかったのがセッティングの難しさでした。スピーカーのサイズがトールボーイとブックシェルフの中間だったため、床に直置きだとツィーターの高さが低く、かと言ってスタンドを高くなりすぎるし、見た目も微妙になってしまったのです。考えた末、タオックの大型インシュレーターと、厚めのオーディオボードで高さと音質を調整することにしました。高さに関してはそれでもやや低めですが、これ以上を望むことは止めました。

 CDレシーバーに関しては、マランツの評判は届いていたものの金額面であきらめざるを得ませんでした。しかし、デノンも素晴らしい品質だと思います。そしてM40の後継であるM41も我が家にはあり聴き比べてみたのですが、M40を現在は使っています。M41は宣伝されている通りノイズ成分が軽減され精緻な音響であるものの、音像のリアリティが後退し音色の奥行きに物足りなさが感じられました。その点でM40の方が本物らしい音楽を再生してくれるのです。M40の性能的にバイワイヤリングができないため、スピーカーはシングルワイヤリング接続をしています。ジャンパーにはベルデンを使い、スピーカーケーブルはウーファー側につないでいます。接続のバリエーションはいくつかのパターンを試しましたが、これが最良のバランスでした。

 スピーカーケーブルは1m1000円クラスのものを10種類くらいは聴き比べて決めました。オーディオに興味を持ち始めた中学生の頃からベルデンとオヤイデが好きで、どちらかのケーブルをとっかえひっかえしながら聴いていました。特にオヤイデの初代“EXPLORER”シリーズの繊細な音が好きで愛用していました。ところが2013年にEXPLORERに採用されていたPCOCC-A導体の供給が終了し、同じケーブルが手に入らなくなりました。そこでそれに代わるケーブルを探したところサエクのSPC-350が見つかりました。色彩感、緻密さ、音像、定位すべてにおいて瑞々しい再生してくれる信頼できるケーブルです。しかも、一番細い(安い)ものが高音の抜けや繊細さで私の好みでした。

 トータルの音質は、音楽が音楽らしく生きたものとして聴こえるような再生を目指して今のセッティングに行きつきました。具体的なポイントはあげるなら、合唱ポリフォニーで各声部が分離して、発音がはっきりと聴き取れることや、ヴァイオリン・ソナタでのヴァイオリンとピアノのバランスなどは注意深く聴いて判断していました。

 私はオーディオには全然詳しくありませんし、熱心でもありません。なので追及はこの辺で終わろうと思っています。あとは、掃除などのメンテナンスを定期的しながら、これからも音楽を楽しもうと思っています。